お疲れ様です。
千字Lifeのとうやです。
今日は前回紹介した、お寿司屋さんの更衣室に使われていたマンションでの出来事を書いたのでご覧ください。
◼更衣室のマンション
バイト先の個人経営のお寿司屋さんには更衣室がなく代わりにマンションを一部屋更衣室として扱っていました。
マンションの鍵は最後の人が閉め会長に渡すというものでした。
僕は夜遅くの締めの作業をして着替えようと外に出ると会長の姿が
なんと話を聞くと、急な予定が入ってしまいこれから出かけない行けないとの事でした。
「更衣室の鍵は開けてるから早く着替えてこい!俺は店を閉めてる!」
こんな夜遅くになんの予定があるか分かりませんが急かされるがままに走って着替えてきました。
着替えてるうちに「さっき会長にマンションの鍵を貰ってなかっなぁ」なんて思いドアを施錠せず走って会長が待つ、寿司屋に帰るとそこには会長の姿はありませんでした。勿論寿司屋も閉まってます。
焦り過ぎだ。
◼完全に取り残された
「え?マジかあのオッサン、マンションの鍵どないすんねん」そんなこと思っても時すでに遅し、
残されたのは扉が開いたままのマンションと僕だけでした。
「これ、このまま帰ってもいいんじゃないか?」そんなこと思いましたが、
「いやいやいくら更衣室言っても皆の貴重品マンションに置きっぱだし…!開けて帰るわけにいかない…」
▼そんなんだから窃盗にあうんだが
取り敢えずどうしようかと一度マンションを上がり更衣室で考えることに、どうしたものか…
このまま朝までいる事も考えましたが、面倒くさすぎるし、ふつーに次の日用事があったので一刻も早く帰りたかった僕はある映画のワンシーンを思い出しました。
◼そうだ、ダイ・ハードしよう!
これ同じ状況に巻き込まれた人が、どのくらい同じこと考えるから分かりませんがそんな事を思い立ち僕はお風呂へと走り始めました。
「何言ってんだこいつ??」と思った人に向けて説明をすると。
早い話が、屋上から体にホースを潜りつけて、爆破される屋上から飛び出し、バンジージャンプよろしく下の階の窓を突き破り生還すると言うやつです。
これの逆をやればええんや!!
我ながら天才かと思いました。
◼どう・ハードする??
まず、お風呂のカーテンを全て外し捻りロープ上にします。そしてマンションの屋上に上がり、マンションの鉄柵にカーテンを結びつけ、下の階に垂らし、再び更衣室に戻り内側から鍵を閉め、そのカーテンを登るというものでした。
鍵は明日の朝出勤した会長があけるだろう
そんな感じです!
思いついたらすぐ実行
が僕のいいところですので早速上記手順を素早く行いカーテンを垂らしました、幸い更衣室は最上階だったので登るのは1階だけです。
夜中の駅前の雑居ビルの一角にあるマンションをルパン三世のカリオストロの城の様に登る様は壮観で、また一つ子ども時代の夢を叶えたそんな気でいましたが。
カーテンが僕の体重に耐え切れずミシミシと音を鳴らし始めます。
焦った僕は思いっきり引っ張り体を上へと伸ばしますがあと一歩鉄柵にに届きません。
一かバチか更衣室のベランダに戻るか下を見ると
めちゃくちゃ高いです。
車も人も小さく見えます。
「あ、これ落ちたら死ぬな」なんて思いましたが
まぁこれで死んだらしゃーないと右手にカーテンをぐるっと結びつけ片手を離し思いっきし左手を伸ばし上半身だけの力で鉄柵を掴みました。
カーテンは元々の長さから1.5倍ほど引き伸びており、一部切れかかってました。
命からがら生還した僕はこの時の為に買っていた祝杯用のビールを誰もいない夏の夜の屋上の椅子にふんぞり返って夜景を眼下にいっぱい飲んで帰りました(早く帰れ)
◼翌日
結局会長は自分が鍵を渡し忘れていたことなんか一切気にもせず店はいつもの様にまわり、皆も更衣室のカーテンが消えた事なんて気に求めませんでした。(そりゃ誰も使ってなかったからね)
僕はしばらくはこの店でお世話になっていましたが、ある程度工程を覚えてしまうと飽きてしまい辞めてしまいました。
今でも夜道の雑居ビルなどを見つけると僕みたいに無理をしている若者が空から降ってこないかなヒヤヒヤしながら歩いてます。