会話に困った時に使える!'架空の友人'の千字ストーリー

昔話、日々の変化、思い出話、友人からの噂話、そんなのをまとめておきます。この話はおもに友人から聞いた小話として合コンやアイスブレイク、気まずいあの子との2人きりの時間とかに使って下さい。

後輩が救急車に運ばれた話(長編)

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どうも千字Lifeのとうやです。今日はお酒絡みで1番めんどくさかった時の話をしたいと思います。なんでそんな話をするのかって

それは今ちょっとイラッとしてるからです(笑)

 

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◼イッキのみダメ絶対

お酒の過剰摂取で引き起こされる急性アルコール中毒ですが、東京都内だけでも毎年1万人以上が病院に運ばれるそうです。しかも、減るどころか年々増えてるんだとか。(東京都消防庁資料より)

恐らく人生で1番酒を飲んだであろう大学時代の私は実に8団体のサークルに属しており、そのどれでもなんかしらの役職に着いていたので飲み会参加は必須でやっていました。

 

取り敢えずイッキ、コールの連続です。

酷い場合だと鍋をイッキ飲みとかしてました(せめて酒を飲ませてくれ)

 

「そんなの水だよ。」

 

という今考えても意味わかんなすぎる恐ろしいコールを覚えています。

あれは僕がそんな動乱の時代

まだ髪の毛が真っ赤だった時の話です。

 

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◼なんでマオさん(♀)に挑んだかなぁ

その日は居酒屋を貸し切った大宴会を開いており、僕は少し離れた所でゆっくりとお酒を飲んでいました

すると突然。

 

「とうやさん!!大変です!克也が倒れました!!」

 

何故俺の所に来たのか。

何が大変なのか。

面倒事が死ぬ程嫌いな僕は取り敢えず後輩の克也君の元へと向かいました。克也君はそんなに飲めもしないのに大口を叩くタイプでいつも。

 

いやぁ〜このピッチャーで3杯目ですわ

ってドヤ顔でジョッキを持ってるような子でした。

 

その克也君がなんとサークル1 酒乱のマオ姉さんにサシで戦いを挑んだらしく、見事に返り討ちにあっていました。意識はとっくになく、自分が吐いたゲロの上で倒れています。

マオさんは既に興味なしと立ち去っていました。

 

「あ、こいつ横にしないと窒息で死ぬよ」

そんな僕の声に後輩がギョッとなって克也君を運び出します。流石に不味いと感じたのでしょうか。店員が救急車を呼んでいました。

 

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◼くっそ重い

よく、漫画とかで「意識がない男を運ぶのがどれだけ大変かわかるか!?」ってシーンあるけどマジでそれです。筋肉質な克也君はとても重く、部屋から運び出すだけで5人の力が必要でした。

 

「俺最近筋トレにハマってて〜!!」

 

って嬉しげに言ってた克也君を今すぐぶちのめしたいと思いましたがここはグッと我慢です。

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◼そしてくる救急車

新宿の夜の街のど真ん中、責任者として救急車に乗せられた僕は救急車の中で何やら書類を書かせられ、適切な治療を受ける克也君をただ見ていました。

 

(なぜ、マオさんに挑んだんだコイツ…)

 

病院に着くやいなや「診察中」と赤く光る部屋に運ばれていき、僕はその前のベンチで座っていました。この時めちゃくちゃドラマみたいだなぁと思ったのを覚えています。

 

看護師がベットに横たわる克也君を押しながら

「命に別状はないです。ほっといてもよかったんじゃないですか?」とブチギレられました。

 

確かに、病院のベットも救急車も看護師さんの人数も限られてるのに急性アルコール中毒っていう自爆でこんな時間に来られたら、そりゃ怒るよなぁ…と思い僕が反省しました。

 

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◼親 来襲

個室の病室で心電図を付けられピッピッピッとなっている克也君を見てめっちゃドラマやん…と思わず写真を撮っていると。克也君の親友であるショーちゃんが克也君の靴を持って来ました。

ショーちゃんは以前、克也君の家泊まったことあり、克也君のご両親には説明済みで既に向かっているそうです。

あ、これ俺が謝る奴やん…と胸のどこかで感じましたが考えないようにし、2人で病室の隙間で立ってご両親の到着を待つことにしました。

 

克也君のご両親は少し体格がいい大柄のお父さんと対称的に細いお母さんで、

既にショーちゃんより事情を聞いているお父さんは顔を真っ赤にして憤慨しており、僕達の挨拶もそこそこに克也君に対して

 

「お前!女の先輩に勝負を挑んで自爆したんだって!恥ずかしい奴だ!!」

とても悔しそうに震えていました。

 

え、そこ…??

 

そしてその次に現役看護師のお母さんが

「日をまたいでしまうと入院費が倍になる」と説明し

克也!!起きなさい!!」と大きくビンタをしました。

 

ビンタを受ける度に克也君の心拍が大きく上昇します。

 

起きなさい!」バチン!ピッ!

「起きなさい!!」バチン!!ピッ!

「起きなさい!!!」バチン!!!ピッ!!!

 

え?はぁ??大丈夫なの??

僕達の思考は一瞬フリーズしましたが

 

余りのシュールな光景に2人とも下を向いて必死に笑いを堪えていました。

 

そして何度目かのビンタで

ピーーーーーっと心電図がなり始め

 

ショーちゃんが小声で

とうやさん 克也死にましたよ…

とやけに神妙そうに言うもんだから

思わず吹き出してしまいました。

 

散々ビンタをくらい叩き起された克也君でしたが

父親の謎の叱責もあり、フラフラとした足取りで帰宅していきました。

 

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◼その後

新宿の大久保病院前に残された、僕とショーちゃんは終電もなく途方にくれていると。

マオから電話があり

「とうや〜今何してんの〜こっちは皆でカラオケしてるよ〜!」

 

お前。

 

克也君からも後日LINEがあり

昨日は本当にありがとうございました。」

「もう一生お酒は飲みません。」

「一生ついていきます。」

 

やめろ。

 

馬鹿は簡単に一生って言葉使うな。と思いました。

 

その後、克也君は徐々に体調も回復し有言実行なのか、大学を卒業した後、僕の務めている会社に入社してます。成績も上々の若手のホープですが。

 

とうやさん〜飲みに行きましょ〜よ〜

 

と毎度飲み会で問題行動を起こしてるそうです。

 

もうこれ仕方ないのかなぁって気持ちで今日も事後処理に追われています。

レジデントのための これだけ心電図

レジデントのための これだけ心電図

  • 作者:佐藤 弘明
  • 出版社/メーカー: 日本医事新報社
  • 発売日: 2018/01/26
  • メディア: 単行本