どうも千字Lifeのとうやです。
今回は初めて裁判所に脳のスキャン画像を持っていた犯罪神経学の権威、エイドリアン・レイン教授の代表作『暴力の解剖学』について、ざっと読書感想文をまとめていこうと思います。
この教授は犯罪心理学を新たなアプローチである脳神経外学から解き明かそうっていう珍しい人で、しかも本人も強盗に襲われたことがあるという、
筋金入りの犯罪マニアです。
そもそも何故突然、この本を特集しようかと思ったのかは昨日僕が本棚を整理していると付箋びっしりのこの本が出てきたところから始まります。
裏表紙を見ると2015年発行本体価格は3,500円+税
まぁまぁする値段ですが、当時の僕は何でこれを買って。
なんでこんなにも
読み漁ったのかわかりません。
純粋に怖いです。
今日は5年前の僕が付箋を貼った箇所のみを特集していきます、ご興味のある方は是非購入してみてください。
- 性差からみる犯罪遺伝子
犯罪が起こる最も多い理由は貧富の格差によるものだと言われています。人間は自身の遺伝子(子ども)を多く残す為に『資源(お金)・食料・住居』などの富を他者よりも多く勝ち取ろうとする本能があるとされています。その本能が沢山の犯罪を産むことになるのです。
よくラッパーが「いい飯、いい家、いい車、いい女」みたいな話をしているが。
それを生物学的に遺伝子を多く残したいたいという観点に当てはめると
- いい飯=良質な栄養、健康維持にも欠かせない、子どもを餓死させないように沢山の食料と高級料理(幅広い栄養分を含んだ)を用意出来る奴は。モテる。
- いい家=外敵から身を守る立派な家だったり、設備が整っているところだと子育ても快適で沢山の子ども作ることができるから、モテる。
- いい車=富の象徴、社会的ステータスを得ることによって沢山の女性にアタックできる(下手したら沢山の女性との間に子どもをもうけられる)
- いい女=一番子どもを万全の状態で生むことが出来る適齢期の若い女性のことを指します。(勘違いしないで欲しいのは女性は誰だって素敵です、こう広義的な意味合いで生物学的な見解の基と捉えて下さい。)
以上のことから犯罪の大部分は多くの遺伝子を残す為に資源の略奪から発生する
ものが多いとされています。
例えば、後ろ暗い話でレイプなどがあげられます。これは自身で子ども養う資源を築くことなく一番手っ取り早いやり方法で遺伝子を残すことが出来る最悪の手段ですが、
実はレイプ犯は
自身が一番遺伝子を残せる
確率の高い相手を本能的に襲う
傾向にあるとされており、その妊娠率は通常の避妊手段を用いらない合意の下に基づく数値の2.5倍とされています。
※性交渉を伴うレイプ被害者405人を対象とした実験。通常の避妊具を用いらない性交渉の場合が3.1%に対してレイプされた場合の妊娠率は7.98%にも及ぶ。
また、男女の恋愛観にもこのような違いがあります。
Q 貴方のパートナーが不倫をしました、どちらがまだ許せる?
①パートナーが不倫相手に愛情はあるが、肉体関係はない。(恋愛的関係)
②パートナーが不倫相手に愛情はないが、肉体関係はある。(肉体的関係)
※テキサス大学オーティンス校デイヴィット・バス氏の実験による。
「はぁ!?不倫した時点で許せないんですけどぉ‼」
って貴方一旦ブレイク。
これ、男女で答えが全く違うみたいです。
①の恋愛的関係の方が許せないと女性が多く答える中、
実にその2倍の数値で
②の肉体的関係の方が許せないと男性は回答しています。この数字から表れる考えとしては、より多くの自分の遺伝子を残したい男性からしたら他の男との肉体的関係は本能的に許せないものになるのでしょう。逆に女性は自身が妊娠した場合、長期的に守ってくれる存在か否かが本能的に求められるので肉体的関係より恋愛的関係の継続的に自身と子どもをしっかりとサポートしてくれるパートナーかどうかを軸としている感じがします。
この二つの本能的な価値観の違いにより。女性は略奪をメインとした人類で最も多い犯罪とは無縁になることがわかります。
■アマゾネスっているの?
中にはこんなデータもあります。長い長い人類史で女性が結束し、略奪を目的とした集団的闘争・戦争を行った形跡は一度も無いそうです。
犯罪率の数値も大きく違い、
女性の犯罪者1人につき、男性は9人。
同性間の殺人も男性が97%を占めるそうです。
そもそも、女性は生物学的には子どもを産んで育てるという目的がある為、自身が直接的に傷つくリスクがあることはなるべく行わない傾向にあり、その分自身の安全性を保つために「間接的に相手を傷つける行為」は男性の数倍にも上るそうです。
これはなんだろ、
なんか身に覚えがある気がして笑いました(笑)
犯罪は自身の遺伝子を後世に伝えたいって気持ちからくる、「富豪(金・家・飯・女)になりてぇ」って欲望からくるものが多く、男女の犯罪率もその本能に基づいて大きく変わる物だという事が書かれていました。
- 脳の犯罪を司る器官
僕は基本、犯罪を行う人は脳に何らかの問題があるのではないか?なんて漠然と考えていた少年だったのですがだってニュースでみる犯罪者の人ってコメントが皆意味わかんないじゃん。それを裏付けるようなデータも最近は出ているそうです。ここで一つ脳に関するお勉強をざっくりしちゃいましょう。- 大脳辺縁系=人間の情動や意欲を司る器官。この器感が活発になり過ぎてしまいコントロールを失うと、暴力的な犯罪を起こしてしまうケースが多々存在する。小脳に近い位置に存在し、人間の原初的な欲求を司っている。
- 前頭前野=思考や判断能力、計画性を司る器官。よくテレビとかで前頭前野が吹き飛んで人格が狂暴になってしまったみたいな『世界仰天ニュース常連の脳の器官』 大脳に近い位置に存在し、進化の過程からしたら大脳辺縁系の後に作られたストッパーの役割を果たす、理性を司る器官。
説明する必要もないと思うが、感情型犯罪は間違いなく大脳辺縁系に問題があり、犯罪時は異常に活性化しているケースが多く、その分、前頭前野の働きが低下している場合が多い。
論理的な犯罪者の場合は大脳辺縁系の異常な活性化に加えて前頭前野もつられるように大きく活動しているケースが多く、自分の中の溢れる暴力的な本能を抑えることが出来ないが、それを如何に効率的に発散するか。その計画を練る為に前頭前野が発達している場合が多い。
『脳の異常=犯罪に繋がる』という場合ではないが、犯罪者の脳をスキャンすると問題を生じている場合が多いそうです。
- 海馬=脳の記憶を司る器官とされるが、正確にいうと「記憶を結びつける器官」である、社会のテストとかで『いい国作ろう(1192年)鎌倉幕府』とかで覚えた人がいると思うけど、『いい国作ろう』と『鎌倉幕府』を結びつけるのが海馬の役目です。結びつけるのはテストの暗記だけではない、『恐怖』と『記憶』を結びつけることも行っている為、『前に嘘をついたら』『怒られたからやめよう』とか『高い所に上ったら』『怪我をする恐れがあるからやめよう』みたに、『条件(恐怖)』と『記憶』を結びつける効果もある。危険領域を認識する為にも最重要な器官の一つです。
この海馬に異常が起こると恐怖というストッパーが無い。サイコパスの人間が生まれてしまう可能性があるらしいです。
原因は不明だが、ラットを行った実験で生まれて間もないラットの「住まい」を何度も変更すると、海馬の非対称性が拡大し(右側より左側がデカくなる)恐怖に鈍感になるそうだ。これは人間のサイコパスにもみられることで、11歳になるまで頻繁に引っ越しをしているケースが多く(平均7回)海馬も左の方が拡大をしており、世の中の社会規範を破る事に対して、恐怖心を持ち合わせていない傾向にある。
こう、データ上で確認をすると脳の異常、遺伝子的な動作の結果など。
人間の脳のなにかが誤作動を起こした、ただただ、機能がかみ合わなかったんだろうなと思わせてしまうケースが多く、本の前半部分はわかりやすいデータの羅列多が数を占めていますが、段々と後半になるに連れて、一概に脳の異常とだけでは説明がつかない「サイコパス」や「ナチュラルボーンキラー」の身体的特性について畳みかけるよに展開していきます。
次回につづく。